地球 東京 僕の部屋
地球 東京 僕の部屋 / 和田唱 (2018)
和田唱、初のソロ・アルバム。長いことTRICERATOPSを続けてきて、このタイミングで何故?もしかしてバンド解散?…なんて不安を感じさせないためか、ツイッターでソロ活動発表を発表する前に「和田唱から楽しいお知らせがあります」なんて前振りをしてたっけ。
そして実際、やっと届いたアルバムは、彼らしいユーモアに溢れた、とても楽しくてハッピーな作品だった。
発売日まで秘密にされていたジャケット写真はなんと5歳の頃の唱ちゃん。しかも撮影したのは家に遊びに来ていた篠山紀信大先生(ってか篠山紀信が遊びに来る家ってのがまず凄すぎるんですが)だそう。
この写真を見て思い出したのは、誠さんの本に載っていた子供時代の唱ちゃんを描いたイラストだった。
(「親馬鹿子馬鹿」より。ちなみにこのイラストのページには、奇しくも篠山紀信さんの話が載っていて、カメラを貸してもらって写真を撮ったりしていた幼少時代の唱ちゃんのエピソードが紹介されている。)
お父様のイラストでしか見たことのなかった幼き日の唱ちゃんが、実際にこうやって、しかもいかにも好きそうな「くるくるテレビ」をのぞき込んでる姿で登場するなんて(笑) ファンとしてはもうこれだけで嬉しくなってしまったのだった。
バンドのフロントマンがソロ作品を出しても、実際バンドの作品とあんまり変わらないよね?って場合もある。
でもこのアルバムは、あきらかにトライセラの曲とは違う。もちろんメロディーラインとか言葉遣いとか歌い方とかには唱ちゃんらしい癖が出てるけど、歌詞の内容も音にも、ソロならではの遊び心が溢れていて、それにとても新鮮な驚きを感じる。
なんていうかな、ロックバンドのフロントマンを演じているいつもの和田唱ではなく、本当に素のままの和田唱(本名)をさらけ出してるような。やりたいことやって、言いたいこと言って、それを純粋に楽しんでいる様子が聴いていて心地いいし、とても楽しい。
ストリングス以外のすべての楽器を自分で演奏してることも興味深い。もともと器用な人ではあるけど、なかなかすごいことよね、これって。全体にシンプルな音作りになってるけど、彼自身が作った曲を、彼自身が鳴らしたいと思う音で聴かせてもらえるのは、単純に嬉しいことだ。(もちろんトライセラの音も好きなんだけど。それはそれ、これはこれ。)
いつもの「踊れるロック」とはちょっと別のアプローチで、また新しいカッコよさを見せてくれているところがいいなと思う。
ちょっと地味めだけど「夜の雲」がかなり好き。
そして何よりも、まっすぐな歌詞の言葉たちが心を打つ。愛する人への思いを綴った内容が多いけど、こんなに素直に気持ちを表現できる和田唱ってすごいなって改めて思う。特にアルバムの最後の曲「Home」は、最初に歌詞カード読んだだけで涙出てきたくらい。
唱ちゃん、本当にいい人に巡り合ってよかったね。そしてこんなに愛されてる樹里ちゃんは本当に本当に幸せだなあ。アルバムを聴きながら、幸せのおすそ分けを頂いた気分です。
いつまでも仲良しの二人でいて欲しいな。
初のソロツアーはどんなステージになるんだろう。
ひとりでもやっぱりマシンガントーク全開なのか(←そこ?)しっかり見届けてこようと思う。
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