ベイビーインブルー

ベイビーインブルー / ふくろうず


ふくろうず6枚目のアルバム。今回は7曲入りのミニアルバムサイズ。


しかもパッケージが今までになく独特で、

…袋から出すとこんな風にバラバラになってしまうんですが、なんとかして下さい(笑)

黒い耳のある猫みたいな形の紙は歌詞カード。4枚に折りたたまれていて、中に歌詞がざっくりと印刷されている。至ってシンプル。

面白いけど、スリーブケースに入れてくれたらもっと良かったな。


そして内容。ミニアルバムサイズだけど、今作も相変わらずちょっと不思議な、でもふくろうずにしか作り出せない世界を展開してくれている。

1曲めの「ハートビート」  …このMV、万里ちゃんの年齢不詳の可愛さが炸裂してるな。

ふくろうずがヒップホップを解釈するとこうなる、的な面白さがいい。こんな言い方するとすごく誤解を招きそうだけど、ふくろうずの音楽って仏教みたいな柔軟性があると思う。他の音楽をどんどん取り込み、ふくろうず的な解釈を施して万里ちゃんのふにゃふにゃボイスで歌うと、もうそれはふくろうずの音楽以外の何物でもなくなっている。そこがふくろうずの、すごく見えないけど実はすごいところだと思っている。


4曲めの「たゆたい」、

初期の名曲「ごめんね」を彷彿させる、せつなさ満載の新たな名曲。

この曲に限らず、今作では、クレジットでは3人の次の行に「そしてドラム 張江」とだけ書かれているサポートのドラマーさんがいいお仕事をされている。

おかげで初期のふくろうずみたいなロックな雰囲気にかなり回帰したサウンドになったのではないかと思う。


タイトルにもなってる最後の曲「クラクションベイビーインブルー」は、昨年7月、the pillowsのツアーの福岡公演に対バンで出演した時に(たぶん)初披露した曲。

万里ちゃん曰く「何故か私たち、さわおさんにとても気に入っていただいていて、お会いするたびに“好きだ”って熱く語って下さるんですけど、私たちは口下手でthe pillowsへの思いを上手く言葉にできないので、今日はその代わりに曲を作ってきました」って前置きをしてから聴かせてくれたのだった。

今までのふくろうずにはない感じの、でもふくろうずらしい切なさを感じさせる素敵な曲で、音源化されるのを楽しみにしていた。今回、久々に聴いてみたら記憶の中に残っていたのよりもずっといい曲でますます大好きになった。これが再び聴けただけでも、買ってよかったアルバムだったと思う。


次作はまたどんな方向に走るのか、まったく予想がつかない彼らだけど、万里ちゃんの中にある、ちょっとひねくれた、でも芯の強いロックな魂はきっとこれからも変わらないだろう。

またいろんな音楽を吸収してきて、新たにふくろうず色の解釈で聴かせてくれる日を楽しみにしたい。

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