THE ANYMAL

THE ANYMAL / Suchmos


彼らにとって3枚目になるフルアルバム。昨年リリースされた「THE ASHTRAY」もそれまでの作品同様、おしゃれな感じの相変わらずのカッコよさだったし、年末の紅白も (NHKサッカーW杯のテーマ曲だった「VOLT-AGE」を彼ららしい飾らなさで堂々と披露して) なんかすっかり国民的な存在になっちゃうのか?と思ってたところへの、これ。

アルバムリリースに先行して公開された「In The Zoo」のMV。

いやどうしちゃったのなんでこんなに渋くなっちゃったの何があったのいったいあなたたち…っていろいろ問い詰めたくなったし、正直かなり驚いたけど、なんか妙に惹かれるこの感じはなんなんだろう? って思いながら、不安と期待が入り混じった数日間を過ごし、アルバムを受け取りに行った。


ショップを出て、車のプレイヤーに入れて聴き始めて、夜中だっていうのに (早く帰れって話なのに) しばらく動けなかった。アルバムの半分くらいまで夢中で聴いてしまって、やっと我に返った感じ(笑)

ひとことで言うと「度肝を抜かれた」っていうのがいちばん近いかも。いやごめん、なんかおしゃれだからノリがいいからカッコいいから、なんて印象で今まであなたたちの音楽を聴いてたけど、申し訳ございませんでした、って平謝りしたくなった。

こんなに本気でやりたい音楽をやる人たちだったんだな。しかもこの若さで。本当の意味で格好いい、いや格好よすぎると思った。


20代の頃、周りの友達とかの影響で古いロックばかり聴いてた時期があった。自分で聴くっていうよりもどちらかっていえば聴かされてた感じだから、なんてバンドのなんて曲だったのかわからないのもあるけど、'60年代終わりから'70年代初めくらいのが多かったはず。

今回のアルバムを聴いてたらなんかその辺の曲たちがぶわーって頭の中に甦ってきて、なんかすごく懐かしかったし、いろんな音楽を好きになり始めた頃の自分の気持ちみたいのも追体験できたような気分だった。

どうして若い彼らがこんな音を鳴らせるのか、どういう音楽を聴いてどう影響を受けてきたのか、本当に不思議でたまらないんだけど、とにかく今の日本の音楽シーンでこんな曲が聴けることが、単純に嬉しいし、ありがたいと思う。


正直、暗くて盛り上がらなくて、やたら長い曲ばかりのアルバム。好き嫌いははっきり別れるだろうし、「THE BAY」「THE KIDS」を気に入ってたリスナーがこれを同じように受け入れるかは難しいところかもしれない。だけど私は、このアルバムが今までの彼らの作品の中で一番好きだし、これを出してくれたことで、Suchmosっていうバンドへの愛着が今までよりもずっと湧いたことは間違いない。


できれば今までSuchmosを知らなかった人にも、一度でいいから聴いてみて欲しい作品だと思う。特にかなりオトナの人たちに。意外と好きな音だったりするかもしれないから。

ちなみにこの「WATER」がアルバムの1曲目。なのでこれに惹かれない人には無理にお勧めしません(笑)


しかし、これを引っ提げてのアリーナツアーなのかあ。数千人の前でこれを演るのかあ。

どうなっちゃうんだろうって思いつつ、彼らのライブに初参戦してきます。

かなり、楽しみ。

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