LIKE A PRAYER

LIKE A PRAYER / MADONNA (1989)


マドンナがデビューして「Lucky Star」「Holiday」などの曲で人気が出始めた頃、彼女のファッションを真似してタンクトップを重ね着してネックレスやブレスレットをたくさんつける「ワナビーズ(Madonna Wannabes=マドンナになりたがる)」少女がたくさんいた。10代だった私も見よう見まねで安いアクセサリーをいっぱい買ってきて得意気にじゃらじゃらさせながら新宿の街を闊歩していたものだ。(街の選択が致命的に間違ってる気はするけど。)


そんなワナビーズまがい少女だった私も、いつしかあまり彼女の音楽を聴かなくなった。アルバムは確か最初の「BURNING UP」から5枚目の「EROTICA」までは買ってたと思うけど、いま手元にちゃんとあって、ときどき出してきて聴きたくなるのはこの「LIKE A PRAYER」だけだ。最初の方の作品はたぶんCDに買い直してさえいない。


いつもきれいなブロンドがトレードマークだった彼女が、このあたりから黒髪になったのも新鮮に感じた。裏ジャケの写真の黒髪を振り乱して踊ってる(?)姿も、すごくカッコいいと思った。ゴスペルを取り入れたタイトル曲をはじめ、曲調がバラエティに富んでるし、彼女のボーカル自体もこの作品からさらに表現力が豊かになったように感じる。聴き応えのあるアルバムだと今でも思う。


歌詞の内容も、彼女自身の父や母への思いなど、今までになくシリアスな感情をさらけ出した作品だってことが話題になっていた記憶がある。(その後、なんか違う方向でいろいろさらけ出す人になってしまった気がするが。)

でも私がこのアルバムで最も衝撃を受けたのは、生い立ちや宗教観のことを歌った曲よりも、4曲めの「Till Death Do Us Part」だった。ショーン・ペンとの離婚を経て、その経験をかなりリアルに綴った歌詞。カラッと明るい曲調でテンポよく悲しい内容を歌ってるところが切なくてグッときた。当時この曲ばかり何度も聴いたっけ。

プリンスとの共作「Love Song」も(ちょっとプリンス色が強く出すぎてるけど)好きな曲だった。

「Like a Prayer」

いろいろ物議をかもしたPV。今見てもちょっとなんだかよくわかんない。でも曲はいい。



そうそう、このCD、開封したらなんとも言えないいい香りがして、これはなんなんだろうってずっと不思議に思ってた。後になって調べたら、(初回盤のみ)マドンナのお気に入りの香水がブックレットにしみ込ませてあったらしい。

買ってから26年経った今でも、まだ微かに香っている。

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