ルキンフォー
ルキンフォー / スピッツ (2007)
スピッツは一時期よく聴いていたバンドなんだけど、なんかだんだん彼らの向う方向と反りが合わなくなったのか良さが全然わからなくなり、そのうち興味も失って、けっこう揃えていたCDを全部処分してしまったのは数年前のこと。
ところが、この1枚だけ違うところに紛れ込んで処分を免れていたことに最近気付いたのだった。奇跡の生き残り。
これも確か今頃の季節、確か4月リリースだった。レミオロメンの「茜空」とかも同じ頃じゃなかったかな。CDショップにフラゲ日に買いに行って、帰るのも待ちきれず車の中でプレーヤーに入れて聴いたのを思い出す。この頃の彼らのシングルは毎回スリーブケースの特殊な仕様で、真空パックみたいな包装がなかなか開けられず、もどかしく感じたりしたなあ。
そして、あれがもう9年も前のことなんだっていう事実に、単純に驚く。
久々に聴いてみたら、反りが合わなくなる前の、まだ好きだった頃の彼らの音がして、この9年の間のことをいろいろ思って、ちょっと切なくなった。
当時、かなり話題になったMV。
過去の彼らのMVの場面があちこちに散りばめられていて、どこにどのシーンが使われているか、ファンはみんな夢中で探したものだった。
このMVを撮った番場秀一監督がBUMP OF CHICKENのほとんどのMVを手掛けていたことは、この当時の私はまだ知らなかったと思う。
奇しくもこのシングルを発掘したちょっと後、数年ぶりに彼らがTVに出て歌った新曲は、なんとなくこの曲みたいな、私が好きだった頃の彼らの雰囲気を思わせる佳作だった。
長年、好きなままで聴いていられる音楽もあるし、興味を失ってもまた自然に聴けるようになる音楽もある。
でも彼らの音楽をまた昔と同じように興味を持って聴ける日は、私にはたぶんもう来ないだろう。
ただ、発掘されたこの1枚は、このまま捨てずに取っておこう。なんとなくそう思った。
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