daydream
daydream / Aimer
Aimerの名前を最初に聞いたのは3年くらい前。息子がOVAの「機動戦士ガンダムUC」の主題歌になっていた「RE:I AM」を聴いていたのがきっかけだった。独特なハスキーボイスと国籍不明な名前(エメと読むこともその時に知った)がとても印象に残り、PCに取り込んだこの曲をときどき私も聴かせてもらっていた。しばらくして同じシリーズの次のエピソードの主題歌になった「StarRingChild」も同じように一緒に聴いて気に入っていた。
その後もところどころで彼女の名前と声を耳にして、なんとなくずっと気になる存在だったが、本格的に自分でCDを買って聴いてみようとしなかったのは、「Aimerはアニメとかゲームの歌を歌う人なんだ」と思い込んでいたからだと思う。ロックのリスナーとしてはなんかちょっと手を出しにくいジャンルっていうか、そんな先入観が強くあったので(笑)
そういう「アニソンの人」って印象を覆されたのは、Galileo Galileiの「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」を聴いてからだった。思春期の女の子の気怠い日常を歌うのに、こんなにピッタリの声のシンガーが他にいるだろうか。彼女がこういう曲も歌うんだってことを知り、ぐっと親しみがわいて、AWAなどで彼女の他の曲もいろいろ探して聴いてみたりし始めたのが去年くらいから。今までジャンルを決めつけて敬遠していたのがバカバカしく思えるほど包容力のある彼女の歌声に、どんどん惹きつけられていった。
そんなAimerの名前があちこちで急に話題に上るようになったのは、やはり今年の8月にMステに出演して以降のことだと感じている。私はこの情報を事前に知らず、放送は見逃してしまったのだけど、こっそり動画サイトやツイッターに上がっていた映像と写真を見て、「へええ、Aimerってこんな女の子だったんだ!(そしてなかなか可愛い!)」って驚きと、同時に「やっぱり生で歌ってもこの声なんだ!」っていう感激で、なんか無性に嬉しくなったのだった。
Mステの映像で初めてちゃんと聴いてすっかり虜になってしまい、思わず何度もYouTubeに見に行ってしまったMV。もともとの曲自体ももちろん素晴らしいんだけど、彼女の声で歌われることによって、さらに印象深い作品になっていると思う。(ちなみにこのMVのせいもあり、洋次郎つながりってこともあり、私は勝手にこの曲が映画「君の名は。」に使われてるって思い込んでいて、映画を見てる間も普通に「エンディングで流れるんだろう」って信じていたので、終わって「え?なんで?蝶々結びは?」ってキョトンとしてしまったのだった(笑) ていうかどう考えてもこの曲の方が主題歌じゃないかっていうくらい、物語に合ってるのに。何故使われなかったのか、なんかいまだに釈然としていない。)
…前置きがすっかり長くなったけど(笑)、そんな「蝶々結び」も収録されたこのアルバム。ワンオクのTakaやandropの内澤くん、時雨のTK、スキマスイッチなどのそうそうたる顔ぶれを作家・プロデュース陣に迎え、今までの彼女のアルバムとはかなり違った印象の作品になっている。これだけ個性豊かな人たちのさまざまな作品を並べても、彼女の声で歌われた瞬間に、紛うことなき彼女の作品になってしまうところは、さすがだと思う。
とくにスキマスイッチのプロデュース作品「Hz」。大橋くんが歌ったらそのままスキマの曲として成り立っちゃいそうな作品だけど、ちょっと新しい表情のAimerの曲として、これはこれで素敵な仕上がりになっている。意外性ではこのアルバムの中でも一番じゃないかな。かなり好きな1曲。
「歌うためにこの世に遣わされた」という形容詞が本当にふさわしい人のひとりに、彼女は間違いなく含まれるだろう。ただじっと聴くだけで幸せを感じられる声の持ち主。
しばらくの間はこの1枚でそんな幸せにどっぷり浸ることが出来そうだ。
2コメント
2016.10.03 17:54
2016.10.01 11:27