Hurt

Hurt / syrup16g (2014)


昨年、まさかの復活を遂げたsyrup16gの活動再開後最初のアルバム。

以前「Kranke」の記事にも書いたけど、この作品が本当に好きで、去年の夏にリリースされてからどれだけ繰り返し聴いたかわからない。


私がsyrup16gに興味を持ったのは2008年に解散する少し前。当時読みに行ってたブログやサイトにシロップ好きの人が多かったのか、解散を悲しむ声をあちこちで見かけたから。その頃よく聴いてたバンドのボーカルさんも彼らと交流があったらしく、解散に関するコメントを出していて、その中で最後のアルバム「syrup16g」を褒めていたので、私も気になって借りて聴いてみた。でもその時はあまりピンと来なかった…っていうかこのバンドの音楽が当時の私には重すぎて受け止められなかったのかも知れない。MDにダビングして何回か聴いて、そのまましまい込んでしまっていた。


その後しばらく経って、きっかけは何だったかよく憶えていないけど、少しずつまた聴いてみようと思って、でも本格的にハマるのはちょっと怖くて(笑)レンタルで借りながら1枚ずつ聴いてるうちに、いつの間にかけっこう好きになってた、そんな感じ。

だからリアルタイムでリリースを迎えるのはこれが初めてで、とても待ち遠しかった1枚。昔から聴いてる人はどう受け止めたかわからないけど、私はひたすら新しいシロップの音がこうやって聴けるってことが嬉しかった。


五十嵐さんの書く曲の向こう側には、いつも80年代ごろのUKロックが垣間見えて、それが彼の作品に魅力を感じてしまう大きなひとつの要素でもあると思うんだけど、その雰囲気は今作でもしっかり健在だった。思ってたよりへヴィな音を鳴らしてる曲もあったけど、メロディーはきれいだし、でもどっかなんとなく歪んでるし、ほどほどにベタだし。ああ、やっぱりシロップだなって(笑) 

ただ、五十嵐さんの声が昔よりも艶っぽくて、そこだけは予想外だったけど。

「死んでいる方がマシさ」であって「死んだ方がマシ」とか「死にたい」って言ってる訳じゃない。そこが今の彼らしいなって、勝手に思ってる。


アルバムの最後の曲「旅立ちの歌」は昔からのファンの人からはちょっと意外に受け止められてたみたいだけど、私はすごく好き。これが聴けただけでも、このアルバム買ってよかったと思ったくらいだ。

「もうあり得ないほど 嫌になったら / 逃げ出してしまえばいい」…これ、座右の銘にしたい。

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